2018年4月23日 21:13        

残念なニュース

非常に残念な事ですが、不妊治療の分野で先端を走っている病院、セントマザー産婦人科医院での事故のニュースが入ってきました。以下に引用させて頂きます。

高度な不妊治療で知られる北九州市八幡西区の「セントマザー産婦人科医院」で2016年に不妊治療の検査のため手術を受けた30代の女性が死亡した

~中略~

女性は16年11月、不妊治療のために同医院を訪れて卵管に詰まりがないかを調べる検査を受けた。検査は女性に全身麻酔をかけた上で、腹部に穴を開けて小型カメラを挿入する腹腔(ふくくう)鏡手術で実施。女性はその後容体が急変し、北九州市内の別の病院に搬送されたが、翌月に死亡した。

~中略~

卵管を広げるために送り込んだ気体の一部を誤って血管に流入させたことが、容体急変につながったと断定。 ~中略~ 担当医は既に同医院を辞めているという。

引用:不妊検査で死亡 担当医ら3人を書類送検へ 毎日新聞
※リンク切れしました。元URLはhttps://mainichi.jp/articles/20180423/k00/00e/040/181000cです。

セントマザー産婦人科医院と言えば、全国に知られる不妊治療の最先端の病院です。上記記事にも言及がありますが、一般の病院には無い以下のような実績が数多くあることで有名です。

高度な不妊治療を専門とし、全国から不妊に悩む多数の患者が訪れていた。女性の不妊治療では、老化した卵子の若返りを目指した先進技術の研究に取り組み、海外の専門医の研修を受け入れるなどしてきた。また、精巣で精子が作れない無精子症を原因とする男性の不妊治療では、精巣から採取した細胞を使って顕微授精を行い、国内で初めて出産につなげ、その後も安定的に成功させるなどした実績もある。

引用:不妊検査で死亡 担当医ら3人を書類送検へ 毎日新聞
※リンク切れしました。元URLはhttps://mainichi.jp/articles/20180423/k00/00e/040/181000cです。

今回問題になった腹腔鏡手術は、外科手術でありながら通常の開腹手術よりも傷が小さく済む方法として知られています。患者さんの体への負担が少なく、術後の回復も早いことがメリットですが、開腹手術に比べて技術面での難易度はやや高いものだそうです。以下が参考URLです。

参考:週刊現代
※やや恐怖心を煽る書き方になっているように感じますが、「どういう施術なのか理解する」&「技術的に難しいことを理解する」という意味では詳しく理解しやすい記事だと思います

今回の女性の手術目的は、卵管の詰まりの確認であったと書かれていますね。通常、卵管の詰まりを確認するのであればカテーテルを利用した卵管造影剤検査になるでしょう。(この辺りは本記事の読者の方の方が、たくさん知識をお持ちでしょう)しかし今回は腹腔鏡になったということですから、一般的に行われている卵管造影剤検査ができなかった方か、卵管造影剤検査で「詰まりがある」との判定がされた方なのかなと思います。

そのような方が何とかお子さんを授かりたいとの思いでおられたのではないかなと想像しています。手術ということで不安もあったと思いますが、まさか卵管を膨らませるための空気が血管に入るとは思っていなかったでしょうし、そのような可能性は事前説明にもなかっただろうと思います。
また当然ながら、お医者様もこのような事故を起こしたくて起こしたのではないはずと思います。全てが善意のもので行われたはずなのに、結果的に死亡事故になってしまった。本当に残念でやり切れないですね…お悔やみを申し上げます。起訴/不起訴も含めて、今後の動向に注目したいです。

なお本ブログ投稿では「腹腔鏡手術は危険だ」と言いたいわけではないので、そこはご注意ください。全ての手術はそれぞれの担当のお医者様がしっかりと準備されて、メリットとデメリットを勘案した上で術式を決定されているはずです。今回の事故も、事前に周到に準備されたものであることを願います。

さて話題が変わってしまいますが、腹腔鏡手術に限らず、全ての行為にはメリットとデメリット、あるいはリスクがついて回ります。それは精子提供も同じです。外科手術に比べればリスクはとても少ないものと思いますが、シリンジ法にしろタイミング法にしろ、多少なりともリスクはあります。考え得るリスクを洗い出し、それを最小限に抑える努力が必要です。

私は依頼者様と自身のリスクを下げるため、定期的に性感染症&精液の検査をしています。検査の結果は以下から見て頂けます。

リンク:検査結果

またそれ以外に、そもそもの予防策としてB型肝炎のワクチン接種とHPVのワクチン、ガーダシル(子宮頸がんのリスクに対するワクチン)を接種しています。その際に金銭や時間の面でのデメリットを許容し、「男性では子宮頸がんワクチンの副作用保証(医薬品副作用被害救済制度)がない」等のリスクも飲みました。

私としてもそこまで準備をしていますので、女性の方でもリスクを最小化するようにご配慮下さい。

シリンジ法をご希望の方は、清潔な場所で作業できるかどうか等のご配慮があると思います。タイミング法をご希望の方は、依頼者様側での精感染症の検査を必ずお願いしています。ご理解の程よろしくお願いします。

一切の事故なく、皆さんに良いお知らせが届きますように。