2018年4月4日 09:30        

タイミング法、シリンジ法(キットあり/なし)比較

[2018/05/19] 本記事について、最新の認識で記載修正しました。
[2018/05/19] シリンジについては次の記事も参考にしてください:単品のシリンジについて(5ml, 2.5ml, 1ml)

以前の投稿「シリンジ法キットの効率は?」でお知らせした通り、キットを利用した際どのぐらいの効率になりそうかを測定しましたので本記事で結果をお知らせします。

なお本来は精液でチェックすべきなのでしょうが、今回は醤油で検証しました。
精液ではなく醤油を使った理由は以下の通りです。

  • 精液では液体の粘度が高く、計量等がやりづらい
  • シリンジ・チューブ内の残留量を目視確認する際、白または透明の液体では見づらい
  • ブログへの写真掲載を考えると、多分いろいろと醤油の方が良い
  • そもそも、検証のためだけに十分な量の精液を確保するのが難しい

まずは検証内容と結論から記載します。

検証内容

今回検証する内容は以下の通りです。セルフで出来る方法の比較を行っています。

  • 「キットを使ったシリンジ法」や「キットを使わないシリンジ法」を行った場合、採精容器やシリンジ、カテーテルにどの程度の精子が残留するのか
  • タイミング法、キットを使ったシリンジ法、キットを使わないシリンジ法では、精液を届けられる深さにどの程度の差が出るのか

今回の検証で確認できない内容は以下の通りです。(当たり前ではありますが…)

  • 精液自体の質に関する検証
  • セルフで出来る方法と、病院を利用する方法との比較(人工授精・体外受精・精子凍結・濃縮など)

結論(検証結果)

以下が私の検証結果になります。
※あくまでも、私個人の調査に基づくものであり、私個人の意見ですのでご了承ください。

また、タイミング法、キットを使ったシリンジ法、キットを使わないシリンジ法では精液を届けられる深さに以下程度の違いがありそうだというのが私の測定結果です。

文章で書くと以下の通りですね。

  1. タイミング法
    最も深い場所で、最も多くの精液を届けることができそうです
  2. カテーテル+シリンジ(両方を挿入)
    タイミング法に次ぐ深さになりますが、精液量は若干少なそうです。
    ただしこの方法はキットのマニュアルで「誤った使用法」と記載されています。
    絶対にやらないでください。
  3. カテーテル+シリンジ(カテーテルのみ挿入)
    上記1,2の半分の深さになりそうです。精液量は若干少なそうです。
  4. シリンジのみ
    上記1,2の半分の深さになりそうです。精液量は若干少なそうです。
    ただし、カテーテルがない分だけ、3の方法よりも精液が有効に使えます。
    キットを使わない場合は、この方法が主流だと思います。

まとめると、タイミング法が最も深く、最も精液量が多く活用できそうとの結論になりました。シリンジ法では精液がほかの場所に付着したり、深さが浅かったりするためやや非効率な部分はあります。しかし深さについては、シリンジ法でも恐らく足ります。(女性側に性的な興奮がなければ、膣の入り口から子宮口までは6~7cmと言われているため。詳細は[2. シリンジ法]をご参照ください)

私はこの結論で「タイミング法がベスト」と言いたい訳ではありません。

この投稿を公開すると「タイミング法がベストと言いたいだけだろう」という批判が出るかと思います。決してそんなことはありませんが、そう言いたい人は必ず出てくると思うためです。そのためこの記事を公開するか悩みましたが、以下の理由から公開することを決めました。

  • 純粋にキットの事を知りたい人もいるはず
  • この内容であっても、誰かの何らかの役に立つ可能性はあるはず
  • この検証のためにお金も時間も使っているので、お蔵入りするのは勿体ない

今回の投稿に反論があっても構いません。私の検証結果が間違っていると思われても構いません。反論がある方は、ご自身で調査し、ご自身のブログで主張して下さい。この記事に限らず、インターネット上の記事も新聞記事もテレビのニュースも、全て「本当かどうか分からない」ものです。反論があればご自身で調査してください。キットも計量道具も、Amazonで購入可能です。

測定の様子

液体(精液・醤油)の計量には、「メスピペット」という道具を利用しました。今回は最大3mlが測定できるものを使用しています。これであれば、今回の用途では十分過ぎるほどの精度が出ます。

次にキットですが、Amazonで入手したものを使用します。以下が外箱です。

次に中身です。

シリンジとカテーテルを組み立てるとこのような形になります。カテーテルは先が丸くなっており、しなやかに曲がる素材で出来ていました。

長さを測定してみると、以下図の通りとなっていました。そしてキットのマニュアルを読むと、挿入するのはカテーテル部分(先端の細長い部分)だけだということが分かりました。「シリンジ(注射器)部分は、膣内を傷つける恐れがありますので、膣内へ挿入しないでください」とのことです。

既に述べましたが、私はシリンジ部分も挿入するものと勘違いしていました。ただ、キットを使わないやり方ではシリンジ部分を挿入する人もいることと思います。医学的には避けるべき事なのかも知れませんので、自己責任と言ったところなのかも知れません。シリンジキットを使うメリットは、より安全に作業できることにあると考えると良いのでしょうね。

次に、2.5mlの醤油を採精容器に注入します。量にするとこのぐらいです。

これを多いと考えるか少ないと考えるか、個人差があると思います。

しかし実際はもっともっと少なく見えるはずです。醤油は黒くて目立ちますが、精液は白く目立たないためです。また醤油は粘度が低く、すぐ容器の底に溜まりますが、精液は粘度が高く、容器の側面に付着したままになりやすい(なりやすかった)です。

次に、この醤油をシリンジに移します。マニュアルに従い、最初に少し空気を吸い込むようにします。

醤油を使った検証ではほぼ全量吸い込めていますが、実際の精液はこんなにうまく行かないはずです。醤油での検証とは別に精液でも確認はしているのですが、その際は0.3ml程度は吸い込み残しが発生しました。理由は前述の通りで、粘度の問題です。恥ずかしながら、手についたり私自身についたりする分もありました。

さて醤油の話に戻りますが、空気を少し吸い込んでから全量を吸い込んだ状態が以下です。

元々の醤油はメスピペットで2.5mlを量って作業していますが、この段階でシリンジの目盛りの2mlよりやや少ない数値となりました。その理由はいくつか考えられます。

  • シリンジの目盛りが正確さに欠けている
  • カテーテルの分だけ誤差が出る
  • 容器に残留する

などです。上記のどれかが理由かもしれませんし、全部かも知れません。

次に、2.5mlの醤油を(きれいに洗った)採精容器に戻しました。写真は以下の通りです。慎重に作業したつもりでしたが、少しカテーテル内に残ってしまいました。

実際には上記作業は女性への導入作業そのものだと思いますが、実際にやってみることで注入作業時の女性の姿勢が大事だと気付きました。なぜなら、写真のようにシリンジが下に向いていれば比較的全量が注入に利用できる一方で、シリンジが上に向いているとシリンジとカテーテル内に多くの精液が残ってしまうことが分かったためです。

シリンジが上に向いていると、どうしても空気が先に出てしまうことが理由です。恐らく女性にとって最も効率的な導入方法は、仰向けに寝て、膝を抱えた状態で、シリンジを下に向ける方法だと思われます。シリンジ法を考えられている方は、提供を受け後に、どこで注入できるのか?どういう姿勢で注入できるのか?も考えられた方が良いと思います。私も今後、シリンジ法をご希望の方にはその旨をお聞きして行こうと思います。

なお今回の作業で、シリンジ法を使用すると約0.3~0.4mlの精液がどこかに付着・残留してしまうという結論を得ました。しかし0.3mlと言われてもピンと来ないと思いますので、0.3mlの目安をお伝えします。1円玉の上にちょうど乗るぐらいの量が0.3mlです。私の方で、醤油を使って確認しています。